キモすぎて何の役にも立たない特技
人間誰しも特技のひとつやふたつがあるだろう。ペン回しやルービックキューブ、Y字バランスや10円玉を目や鼻の穴に入れるなど…
かく言う俺にもいくつか特技がある。
明らかに人より秀でている特殊能力があるのだ。
だが、どれもキモすぎて実践の機会に恵まれない。全くもって宝の持ち腐れなのである。
細かくキモいのもいくつかあるのだが、中でも今回は軽々しく披露できないレベルのキモい特技を5個ぐらい紹介させて欲しい。
特技①:500mlもしくは2Lのペットボトル飲料を何も見ずに触っただけで使われているメーカーとその銘柄を答えることができる
これは完全に職業病。
マジで軽く触っただけで分かる。
アサヒ飲料だけでなく日本のメーカーなら大体分かる。
コカコーラは固有ボトルが多いので単純。
サントリーは最近分かりやすい固有ボトル(天然水STRONGやクラフトボス)を増やしているのでより容易になった。
キリンは500規格にあまり特徴がなく面白みのないボトルが多い。
伊藤園のコーヒー紅茶系のボトル(TEA'sTEAシリーズなど)は最もデザインと手触りが良い。
主要メーカーから外れると難しい。サンガリアは汎用的なボトルを使ってくる。あと外国のボトルまで行くとムズい。
1番自信のある特技。しょうもないね。
「アサヒ飲料の主要商品のJANコード(13桁のバーコード)を大体記憶している」という特技もあるが、暗唱しても答えとなる現物が手元にない限り正解が誰も分からないというフラッシュ暗算みたいなものなのでそれは割愛。
特技②:パームボールを投げることができる
パームボールとは回転が少なく変化量の大きい変化球である。
かつてはホフマンやハラデイが決め球として使用しており、NPBで有名なパームボーラーといえば浅尾や帆足が挙げられるだろう。
そんなパームボールを俺は近所のおっさん相手に投げている。草野球で。
直球を投げている時に比べてクソキモいフォームになってしまうのでバレバレ。
砲丸投げ選手が砲丸を投げる時の腰を軟化させてケツをまくり上げて親指と小指が180°になるようなフォームになるため本当にキモい。
はたから見ても異形であることは明らかなのでできれば投げたくない。
特技③:湘南乃風の純恋歌(7分30秒)を1分30秒に圧縮して歌詞も何も見ずに高速詠唱する
カラオケでみんなで歌ってる時に選曲したらぶっ飛ばすぞランキング第2位であることでおなじみの湘南乃風の大ヒット曲。
そんな7分30秒ある名曲を、あろうことか俺は1分30秒で高速詠唱できる。しかもメロディー付き、歌詞カード抜きで。
歌詞中のパスタやパチンコにほぼ意味はなく中身はスカスカな曲なのだが、レゲエであるため歌詞そのものの密度はそれなりにある。
純恋歌高速詠唱初心者はまずこの密度につまづく。歌詞カードを見ながらでも2分すら難しいだろう。
そしてHAN-KUNのメロ、若旦那、SHOCKEYEのメロを歌い分けないといけないのだ。
HAN-KUNの高めの声が最も喉の消費が大きく息切れを誘う。そう、この曲はサビが重たいのだ。
中間で「会いに 会いに行くよ 会いに…」「LOVE SONG...LOVE SONG...」というフレーズが連発するところは通称「会いに連打」「ラブソング連打」と呼ばれるボーナスステージ。
この前ひとりで久しぶりに詠唱してみたが1分41秒掛かってしまい衰えを実感。皆にお見せする時はしっかり1分30秒に仕上げたいと思う。
特技④:物の長さを測る時に定規を使わず己の陰茎をプロジェクションマッピングのように投影させて正確な値を出すことができる
何を言っているか分からないと思うが……
例えば目の前にイワシが1尾いたとする。このイワシの長さを測りたい時に、大抵の人は定規やメジャーを使うだろうが、俺は己の陰茎を使って正確に長さを導き出すことができる。
もちろんボロンとその場で出すわけにはいかないので、まず念じる。ムムム…と念じていると己の陰茎がホログラムとなって対象物と重なってプロジェクションマッピングのように投影されるということだ。
己の陰茎とは運命共同体であるからして、完全に見慣れているもの。毎日陰茎と対峙して、きもちくなっているうちに、いつしか陰茎のホログラムを出すことに成功したのである。
己の陰茎の長さは決して5cmや10cm、20cmなど綺麗な値ではないが、ひとたび対象物に投影させれば「マラ3本分」、「マラ1と1/3本分」のように己の陰茎を基準に物の長さを正確に測ることができる。
そしてセンチメートル法に直した時にだいたい近い値を算出できるのだ。
ケーキを等分する時などにも己の陰茎を投影させて綺麗に切ることができるので、クリスマスシーズンは己のマラが役に立つのだ。(赤鼻のトナカイのサビ)
特技⑤:妊婦の匂いを嗅いで、生まれてくる子供が男の子が女の子かを判別する
これが本ッッッ当にキモい。
キモ過ぎるんだが何故か分かる。分かってしまうのだ。分かってしまう自分が怖い。
女の子が胎内に入っている時の特有の匂いがある。俺にはそれが分かる。
香水や柔軟剤などの後付けした匂いでは表現できない、言葉では表現し難い甘い感じの匂い。
男の子の時はそれが無く、また別な匂いがするのだ。
冗談抜きで現在のところ成功率は5/6。協力してくれた人が6人もいることに驚きだ。
(協力してくれた、というよりもおめでたの人に会った時に「お腹のお子さんは男の子ですか?」と先に聞いたら当たった、というキモ事象を何度か起こしている。)
男かな?女かな?の当てずっぽうでも5人当てる確率は1/32なのでそれほど大きな確率ではないのだが、並の正当率でないことは理解してもらえるだろう。
マジでキモすぎるので大々的に行うことができず自己封印している特技なのである。
ぜひ君達が結婚し、披露宴が催される際には余興として、こちらから出演料を支払うので是非とも呼んでほしい。このどれかの特技をお見せし、結婚式場を狂気と悲鳴の渦へと誘ってみせよう。