親知らずをガチ抜きした話 最終章①
それは今年11月のこと。
左上奥の歯茎が爆裂に痛くなる。
この痛みは歯ではない。
左上奥の歯茎が痛い。爆裂に。
最初は何か食べたものが悪かったとか、寒暖差で歯茎が収縮しているのだろう(?)などと、とにかく虫歯ではないだろう…と思っていた。
しかし痛みは日に日に増すばかりで遂に夜中、発狂する。
「アオオオオオwwwwwwwオッホホホホホホーウwwwwww」と、トムとジェリーのトムが放つ断末魔のような奇声を午前1時に放ったのだ。
眠れない、このままでは。
本気で耐えきれなくなり、翌朝歯医者に電話を入れる。
2年前に右上の親知らずを抜いた、ポケストップがある歯医者へ。
2年前の右上親知らずとの対戦はこちら
ここにもある通り、左上の親知らずは大昔に既に抜いてある。
だから今回の痛みは親知らずであるわけがない。親知らずを抜いた跡地の歯茎が痛むのだから。
電話を入れると、なんと即日OK。助かった……
2年ぶりに、松鶴家千とせ先生と再会する。
「お久しぶり、元気でしたか〜?」
…元気ならここには来ないだろうが。
ふと横の書庫に目をやると、「α波と1/fゆらぎ」というタイトルのVHSがあった。コレだよコレ。
「とりあえずレントゲン撮りましょうか」といい、おもむろに遮光板が付いた棒みたいなものを口に詰め込まれヴォエー!!!!!となる。アレ何なんだ。
待つこと数分、衝撃の事実が。
レントゲンに写された左上奥には…「歯が反転して埋まっていた」のである。
何を言っているか分からないと思うが…
この図がまさにそう。
大昔に抜いたと思っていた左上の親知らずは、
ただ「表面を砕いた」だけだったのだ。
言うなれば「墓場に埋めたはずの死人が息を吹き返し棺桶から手を出している」状態。
やられた……
そんな話あるか?
先生の話によると「加齢に伴って歯茎が下がり、少しずつ顔を出して化膿し始めている」「どこで抜いたのか分からないけどその医者が中途半端に抜いてくれたおかげで俺が大変な後始末する羽目になった」というのだ。
早急に抜かなければいけないのだが、とても今の状況では抜ける角度でも大きさでもないらしい。ただほんの少し顔を出している親知らずは爆裂に化膿しているらしい。それが痛みの原因だという。
とりあえずその日はロキソニンを処方してもらい多少痛みはマシになった。
しかし同時に良くないプランを聞かされた。単語だけ抜き出せば「切開」「破砕」「縫合」という不穏なものが並ぶ。
相当なオオゴトになるらしい。嘘だろ……
そう、悪夢は終わっていなかったのだ……
続く